小さいときに、ディズニーランドに行った時に体験した感覚と、大人になってから行ったディズニーランドで経験した感じ。昔見た映画と、最近見る映画。小さいときには食べられなかった食べ物を大人になってからおいしいと思うようになった・・・、そんな経験はみんなが共通して持っていると思います。
先ほど、テレビで一昔前のMacy's(NYにある巨大デパート)にサンタクロースが来ている白黒の様子が流れていました。群がる人々、興味津々の子どもたち・・・。その頃はきっと、サンタクロースがデパートでイベントをやるということが、一大事だったんだろうなぁ、と見ながら考えていたのですが、そんなイベントも今では「当たり前」何をやるにも一工夫が大事な時代です。
どんどん新鮮さが失われていく、又は新しいものを受け入れていくというのは、人が大人になっていく過程に非常に似ていると思います。地球が、というか世の中がまるごと大人になっていく。それは普通に言えば、時間を重ねていくこと、歴史を重ねていくことなんですが、社会が大人になっていくということは、どういうことなのかな、と思います。
人間は大人になればなるほど年を老いて、死んでいくわけですが、社会はそういう分けにはいきません。色々な現象に新鮮度がなくなっても、何事がどんどん洗練されていっても、社会は大人になっていくことを容赦なく迫られるわけです。まぁ、もう大人っていう領域を超えて、「仙人」の世界に行ってるのかもしれないですが・・映像の世界は特にそういう現象、「大人になっていく」社会に隣接しているなと思います。常に新しいものを求められる業界、は色々あると思いますがテレビはそのど真ん中にいると思います。
どんどん大人になっていく視聴者に、新しい感覚を、新しい視点を、疑問の定義を、存在の意義を・・テレビは人を惹きつけるのが仕事ですから、常に興味のそそられることをやってなくてはいけないわけですが、そんなモノの開拓や、リフレッシュした価値を提供するというのは、なんとも不思議な仕事です。大人に、再び「子ども」の時の感覚を与えなくてはいけないのですから、高級娯楽システムだ!・・・なんて、自分の仕事を格好いい位置づけにしたいだけですが。
テレビが壁にかけられて、絵画の代わりに鑑賞される時代です。また、テレビという存在には情報以上の付加価値がついていくことになるのでしょうか。
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